はじめに
キッチンの日々のお手入れで欠かせないお掃除。
特に大変なのが、レンジフードです。
特にコンロの上には必ずと言っていいほど換気設備が設置されていますね。
お掃除を長時間さぼったりすると、油汚れが原因で換気の機能が落ちてしまいます。
しかもこの油汚れが曲者…。
頑固な油がこびりついていて、なかなかお掃除が大変だったりします。
そこで今回は、レンジフードのお掃除方法を紹介します。
レンジフードにもいくつか種類があるので、その違いもご説明します!
レンジフードとは…
レンジフードとは、調理の際に生じた臭いや油汚れの混じった空気を吸い込んでダクトを通して屋外に排出するファンと、空気をスムーズに誘導するのに役立つフードを、一体化させた設備です。
コンロの上に囲いがあるため、汚れた空気を効率よく集めることが出来ます。
形状
レンジフードのタイプでは以下の種類に分けることができます。
ブーツ型(深型)
ブーツのように吸い込み口が広くなっている形状をしています。一昔前に多く普及したタイプで、「スタンダード型」と呼ばれることもあります。安価ではありますが、定期的にフィルターを交換する必要があります。
また、既存の換気扇(プロペラファン)に後付けすることもできます。
スリム型(薄型)
近年、新築やリフォームをする際に採用されることの多いタイプです。
レンジフードの下部についている板(整流板)の四方にすき間があり、整流板に当たり汚れた空気を一気に吸い上げる仕組みです。
使われるファンは後述のシロッコファンが採用されることが多くなっています。
ブーツ型より高価格帯ではありますが、スタイリッシュな見た目や掃除のしやすさがメリットとなります。
フラット型(平型)
フラット型は縦の長さが他のタイプに比べて短いレンジフードです。
そのため、天井が低い住宅などで採用されることが多いです。
取付タイプ
レンジフードを取付けする設置面で3種類に分けられます。キッチンの形状によって選択されます。
奥の壁に取り付けるタイプ
I型キッチンなどの壁付けタイプのキッチンや、コンロ前に造作壁があるタイプのキッチンで主に採用されます。
最も一般的であるためラインナップが豊富になります。
横の壁に取り付けるタイプ
レンジフードの側面が横の壁に面しているタイプです。
主にペニンシュラキッチンやアイランドキッチンで採用されます。
天井に取り付けるタイプ
天井からつるすような形で取り付けるタイプです。アイランドキッチンやペニンシュラキッチンで採用されます。
比較的高価格ですが、スタイリッシュな見た目でおしゃれです。
換気扇との違い
換気扇とレンジフードの主な違いは、ファンの形状と排気の方法の違いです。
換気扇ではプロペラファンが使用され、近年のレンジフードには主にシロッコファンが使われています。
プロペラファン
扇風機の羽根に似た形状で、ファンを回すことで屋外に直接空気を排出します。
そのため壁に穴をあける必要があり、かつ屋外に接している壁面のみ設置することが出来ます。比較的安価ではありますが、外と直接つながっているため屋外の音が入ってきたり、風の強い日は換気能力が低下してしまうこともあります。昔ながらのキッチンでよく使われていましたが、現在では新たに取り付けることは少なくなっています。
シロッコファン
細長い羽根が円筒上についていて、吸い込んだ空気を、ダクト(通風管)を通して排気する仕組みです。
屋外に接していなくても、ダクトを伸ばして排気が出来るため、マンションなどで使われることも多いです。
ダクトの工事が必要であり、プロペラファンに比べて設置費用は掛かります。
近年主流になってきているスリムタイプのレンジフードでは、主にこのシロッコファンが使われています。
★ワンポイント★
近頃のキッチンでは、レンジフードが主流になりつつありますが、キッチンに取り付けられている換気設備を総称して「換気扇」と呼ぶケースもあります。
レンジフードの掃除方法
換気設備にもいろいろな種類があることがわかりました。
それでは肝心なお掃除の方法をお伝えします。
種類によってお掃除方法は様々ですが、今回は、近頃のリフォーム・新築で採用されることの多い「スリムタイプ(シロッコファン)」のレンジフードのお掃除方法を例にとってご説明します。
メーカーや機種によって違いがありますので、お持ちのレンジフードの説明書を必ずよく読んでお掃除しましょう。
なお、今回の記事に当たって、タカラスタンダード「水まわりお手入れマニュアル」を参考にさせていただいています。
事前準備
お掃除がスムーズにできるように事前準備をしておきましょう。
掃除用具を用意する
ゴム手袋・柔らかい布・台所用中性洗剤・雑巾や端切れ・スポンジ・キッチンペーパー・脚立など
油汚れを扱うため、必ずゴム手袋を用意しましょう。
雑巾は使い古しのタオルや布を多めに用意すると、便利です。
洗剤は必ず中性洗剤を使用するようにしましょう。それ以外のものを使うと変色や変質の原因となってしまいます。
また、部品を着脱するときに脚立などを使用しますが、転倒を防ぐために必ず安定感のあるものを使うようにしてください。
電源をオフにする
掃除中に運転が始まってしまうと怪我や事故の原因となります。必ず電源を落とすかブレーカーを切ってから作業するようにしてください。
養生をする
洗剤や汚れが周囲に飛び散ることもあります。汚れないように周囲の壁・コンロの上などをしっかりとカバーしてから作業しましょう。家にあるものだと、大きめのごみ袋やマスキングテープを使用してカバーするのもおすすめです。
掃除の手順
整流板を外す
整流板はレンジフードの下部を覆っている板で、コンロ前から見上げたところについています。
固定方法は「マグネット固定式」か「レバー固定式」に分かれているため、それぞれの外し方をご説明します。
マグネット固定式
1.整流板を両手でしっかりともち、板をさげて、マグネットキャッチから外します。
2.整流板の後方にあるアームを左に回します。
3.両手で板をしっかりと持って、手前に引いて外します。
レバー固定式
1.整流板の前方を両手でしっかりと持ち、左右の固定金のレバーを下げます。
2.両手で支えたまま、ゆっくりと下げます。
3.整流板の後方はレンジフード本体に引っ掛かっているので、外します。
整流板の掃除
水を含ませた柔らかい布で汚れを拭きとってください。
落ちにくい油汚れの時は、布に中性洗剤を含ませてふき取ります。
仕上げに洗剤が残らないように水拭き及び乾拭きしてください。
フィルターの掃除
タライに中性洗剤を溶かしたぬるま湯を張って、フィルターをつけておきます。そうすることで、油汚れが浮いてきて掃除しやすくなります。
スポンジなどで汚れを落とした後、乾燥させておきましょう。
吸込口(オイル受け)の掃除
外す時はレンジフードキッチンペーパーなどで受けを用意しながら、ゆっくりと両手で水平に外すようにしましょう。傾けると内部にたまった油がこぼれることがあります。
掃除はフィルターと同じく、中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけ置きしたのち、洗って乾燥させましょう。
シロッコファンを外す
シロッコファンの外し方には「ワンタッチ式」と「ねじ止め式」があります。
ワンタッチ式
ファンの中心にあるボタンを押しながら、落とさないように注意をして、シロッコファンを引き抜きます。
ねじ止め式
落下しないように抑えながら、ベルマウスの蝶ナットと呼ばれるパーツを外します。
シロッコファンが落下しないように抑えながら、ファン固定ねじを「ゆるむ」方向へ回して取り外します。
その後、引き抜きます。
シロッコファンの掃除
中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけ置きしてから、スポンジなどで汚れを落とし、乾燥させます。
なお、完全に乾かさないままレンジフードに戻してしまうと、サビの原因となります。
前面パネル・内面パネル・フードなどの掃除
中性洗剤を含ませた布で汚れをふき取ったのち、洗剤が残らないように水拭き・乾拭きをしてください。
まとめ
今回はキッチンのレンジフードのお掃除方法をお伝えしました。
気持ちよくお料理するためには、レンジフードの掃除は不可欠です。
汚れがたまってしまうと、その分お掃除も大変になってしまいます。定期的に掃除をして綺麗な状態を保っていきたいですね。
最近では「10年間お掃除不要」や「自動洗浄機能付き」のレンジフードも発売されています。
各メーカーさんで説明を受けるのも一つの手かと思います。