はじめに
特に築年数の経っているお風呂で、床や壁がタイルのお風呂を見かけたことはありませんか?
こちらは「在来風呂」や「在来浴室」と呼ばれ、ひと昔前の日本ではよくあるタイプのお風呂です。
現在でも約30年以上前に建てられた戸建てや公営住宅などでは、このタイプのお風呂がよく使われています。
一方、近年では「ユニットバス」や「システムバス」という言葉も聞かれるようになりました。
この記事では上記2種類の違いを解説していきます。
在来風呂とユニットバス
在来風呂とは…?
在来工法で作られるお風呂です。
床や壁などに防水処理をした上で、コンクリート(水・セメント・砂を混ぜ合わせてできる建築材料のこと)やタイルで仕上げていき、現場で職人が1から作り上げていきます。
昔ながらのお風呂に使われていると説明しましたが、現在でもお風呂をこだわって作りたい方は、在来風呂を選ぶこともあります。
ユニットバスとは…?
あらかじめ工場で部材(天井・壁・床・浴槽など)が各々製造されていて、現場に持ち込んだ後に組み立てるお風呂です。システムバスとも呼ばれます。
ちなみに「ユニットバス」と聞くと、ホテルやアパートなどの賃貸物件で見かける、お風呂とトイレ・洗面台が一体になったものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
こちらもユニットバスの1つですが、「ユニットバス=洗面台とトイレが一緒のお風呂」ではありません。
ユニットバスは以下の3種類に大別されます。
ユニット |
浴槽と洗い場のみのタイプです。 (トイレ・洗面台別) 戸建やファミリーマンション等幅広く採用されています。 |
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2点ユニット | 浴室に洗面台も設置されているタイプです。 |
3点ユニット |
浴室に洗面台・トイレが設置されているタイプです。 ビジネスホテルやワンルームマンションなどで設置されることが多いです。 |
在来風呂のメリット・デメリット
メリット
浴室内を自由にデザインできる
すべて現場で作り上げていくため、浴槽・窓・壁などを自由に選ぶことができます。
「タイルを凝った柄にしたい」「窓を大きくしたい」「ヒノキの浴槽にしたい」といった要望に、とことんこだわった自分たちだけのお風呂を作ることができます。
浴室のサイズも自由に設計できるのもメリットの一つと言えます。
デメリット
工期が長く費用が高くなってしまう
自由度の高い在来風呂ですが、工程ごとに様々な分野の職人の手によって作り上げるため、人件費がかかります。
材料にもこだわればその分費用が掛かるため、コストが上がります。
また工程ごとに日程が組まれるため、工期も長くなってしまいます。
特にリフォームの場合、工事の間は自宅のお風呂が使えなくなってしまうので、その点も考慮する必要があります。
素材によっては手入れが大変
タイルの目地部分はカビが生えやすいので、こまめな掃除が大切になります。
また浴槽がヒノキの場合、手入れをさぼってしまうと変色したりカビが生えたりしてしまいます。
寒さを感じやすい
タイル張りのお風呂の場合、ユニットバスに比べて気密性が劣るため、冬場は底冷えを感じたりヒートショックを起こす可能性が高まります。
ユニットバスのメリット・デメリット
メリット
工期が短い
あらかじめ部材がセットされたものを現場で組み立てるため、在来風呂に比べて工期が非常に短く済みます。
浴室内が暖かい
壁や天井が一体化しているユニットバスでは、気密性・保温性に優れるため暖かく、ヒートショック対策としても有効です。
掃除がらくらく
壁や床のつなぎ目が少ないため、日々のお掃除もしやすいです。
最近では防汚性に優れた素材を使用しているメーカーもあります。
オプションが幅広い
最近では暖房乾燥機や肩湯機能付きの浴槽を選べたりするのもメリットのひとつでしょう。
コストを抑えられる
デメリット
サイズが決まっている
ユニットバスはあらかじめ基本となるサイズが決まっていて、その施工現場に合ったサイズから選ぶことが一般的になります。
メーカーによっては、浴室のサイズをオーダーで設計できるタイプもあります。
デザインの自由度は低い
あらかじめ決められた色・材質から選ぶことになるため、デザインの自由度は在来風呂の方が優れています。
施工事例
まとめ
いかがでしたでしょうか?
在来風呂もユニットバスも、それぞれ良いところがあります。
一日の疲れを癒す大切な場所だからこそ、自分だけのこだわりのお風呂を見つけてくださいね。
この記事を書いた人
内田 茂之
時代の変化とともに、お風呂も変化していきますね。
お風呂のリフォームをご検討の方は、是非ご連絡ください!